Home > 特集,vol.76 > 特集 DDインタビュー
特集 DDインタビュー Zeebra 1万文字インタビュー  PAGE : 2/4 < >

パーソナリティーは
若手ラッパーからアイドルまでリベラルに

-開局にあたり、周囲の反響はありましたか?

Zeebra 「そもそもこういうの必要性とか、意義みたいなものを何年か前からやっていて、Ustreamで試しにちょっとやってみようかなと思って、3日間24時間放送っていうのを自分でやってみたことがあって。寝ている間はオートプレイにしておいて、パッと起きて『鳴ってる鳴ってる』みたいな感じでやってみたところ、そのときもいまみたいな感じでローテーション作ってそれをヘビープレイってやったら、そのローテーションに入れた曲が軒並みiTunesのチャートでグワーってあがっていって。

実際その時まだUstreamが始まったばっかりくらいだったし、Twitterもまだまだ新しかったってこともあって、すごい話題になって、常時接続2000人みたいになったんですね、俺の部屋からの放送で。
これ反響あるなって思って、たまにやろうってなって、そこから4年間くらい毎年お正月に放送してたんです。元旦から初めて三日間と思ったけど結局五日間やって、その次の年一週間になって、次の年10日間やってとか(笑)。自分ひとりでやれることをできるだけやろうってなって。

ただその時からいまの編成局長やってくれてるYANATAKE君なんかも手伝ってくれてたんで、日本にもしもHIP HOP専門局があったら、っていう感じの風にやってて、実際その時もみんな『俺の曲かけてください』とかあって、実際かけると本当にチャートがあがってみたいなのがあったんで、たぶんその意味っていうのはみんなすごく理解してくれてますし、その意味を理解してくれてて二つ返事でOKしてくれた人たちがパーソナリティーとして入ってくれてます」

-パーソナリティーはZeebraさんがすべて選ばれたんですか?

Zeebra 「そうですね。僕と編成局長で選んでて、バランスをできるだけとりたいなっていうのがあって。
男女のバランスもそうですし。もう少し女の子いてもいいと思うんだけど。あとはスタイルとか、やり口とか。
たとえば、完全にHIP HOPってわけではないけど、ラップが絡んでてっていうところに関しては、全部手放しではちょっと不安だったんで、UZIの番組のアシスタントとして、NMB48のりりぽん(須藤凜々花)に出てもらったりとか。まさにそこで可能性がいろいろと広がると思うんですよ。
そういうところまでひっくるめてできるだけリベラルにイメージしてる感じですね。WREP学園に関しては、りりぽんとLETYちゃん( Def Will)とMIRIちゃん(ライムベリー)はアイドルなんで、そういう子たちを選んだんですけど、意外とアイドル好きとHIP HOP好きが重なっている連中が結構いるんですよ」

-HIP HOPというと、いかついイメージがありましたが意外ですね。

Zeebra 「あとアニメ好きとHIP HOP好きとか。そういうパターンが結構あるんで、その辺のクロスオーバー感っていうのは、いまは実際普通なんじゃないかな。
俺なんかのフォロワーもいつもツイートしてくれる子たちなんてアニメアイコンの子たちが超いっぱいいるし、そういうのもいま当たり前になってきていて。昔はそれこそ“悪そうな奴ら”しか聴かない感じだったんですけど(笑)。いまはそういういろんな人たちがいろんなHIP HOP聴いてて。たとえば、そういう子たちがすごい悪いHIP HOP聴いて楽しんだりして。ファンタジーとしてね(笑)。それはそれで面白いし、いろんな人たちがいろんな楽しみ方をしてくれたらいいなって思ってます」

-観覧自由にされたのは何か思いがあるんでしょうか?

Zeebra 「そもそもできれば路面店というか、路面のスタジオでやりたいなっていうのが初めにあって。いまのWREPスタジオにもちょうどダンススタジオが入ってるんですけど、ここ自体が渋谷で一番大きいダンススタジオで、この辺のダンサーの子たちはほぼここでやってるみたいな。
で、その環境自体が夕方からはHIP HOPの学校に来てるみたいなぐらい、ダンサーの子たちが出たり入ったりしてるところだったんで、なんかそういうところだったり。それこそ、大学の中にある放送局みたいなような感覚でやれるんじゃないかなーと思って」

ラップの授業でHIP HOP文化の浸透を

-大学といえば、今年1月に中学校で講師をされたり、今年9月にも慶応大学の三田キャンパスで講師をされるとのことですが。

Zeebra 「ラップに関しては、中学で教えたことと大学で教えることは少し違って、そもそもラップの仕方とかってそんなに難しいことではなくて、韻の踏み方っていうことの仕組みさえわかってしまえば、あとはみんな自由にやれるようになれるものではあると思うんですけど、僕もやってきたなかで『こういうところをこういう風にするともっとうまく聴こえるよ』っていうのがやっぱりいろいろあるわけで、そういうことをラップのスクールとして教えるっていうのが一つやり方としてあって。

この前の中学は授業としてラップを教えてほしいということだったんで、ラップの仕方を教えるっていう授業だったんですけど、大学に関してはラップだけでなく、HIP HOP全般についていろいろ講義できたらなと思ってます。内容としてもHIP HOP文化とラップの構造っていう授業として、ラップの仕方的な部分も多少やるんですけども、それだけじゃなくてHIP HOPの四大要素といわれる『ラップ』『DJ』『ブレイクダンス』『グラフティアート』。その4つの歴史とか、ゲスト講師を招いたりとか、日本のHIP HOPとアメリカのHIP HOPの歴史を3回ずつに分けて紹介していったり、曲の分析とかをできる限り学術的にやろうかなと思ってます」

-アメリカだと学校で普通にラップを教えられてるそうですね。

Zeebra 「そうですね。向こうだと普通に大学の中で研究されてますし、僕も一昨年にNHKの番組でボストンとニューヨークに行かせていただいて大学で講義をさせてもらったんですけど、そのときもMIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学の共同プロジェクトの日本のカルチャーを考えるプロジェクトがあってその中の一環としてトークさせてもらったんですけど、MITの中でやったんだけど半分くらいが学生さんで、半分くらいは教授がたくさんいて、とにかく日本のHIP HOPはどうなってるのか興味津々で。
アメリカのこういうHIP HOPに出会って僕はこうしてるなんていうと、『日本のHIP HOPはどうなんだ、こっちのHIP HOPはだいぶ昔とは変わっちゃって』なんて、僕ら世代の教授や上の世代の教授なんかはすごい事細かにわかっていろいろと言ってくれるんですよね。それが面白いなと思って。

で、そういうのが普通にあるし、僕も20年くらい前にスタンフォード大学であったパブリック・エナミーっていうグループのチャックDが、当時いろんなところでHIP HOP的な意識からの人種差別問題を考えたりする講義みたいなのをやってて、それを一回見に行ったことがあるんですけどもう教室がパンパンで。みんなHIP HOPを好きな人たちって世もすればただ単に快楽主義者みたいな連中が多そうなイメージなんですけど、HIP HOPってそもそも20年くらい前はすごくメッセージ性が強くて。いわゆるいまみたいなパーティー音楽では全然なかったんですね。
当時の背景はすごくアカデミックな視点からHIP HOPを捉える人がすごく多くて、そういう風にどんどんなっていって、向こうではそれがずっと研究され続けたわけですね。しまいには、MITの教授が日本のHIP HOP研究しだして、本まで出してるんですよ。なんで、日本の教授がやる前に向こうで先にやられちゃってるから、こっちでもちゃんとやんねーとっていう(笑)」

next
>>日本語ラップブームを語る




PAGE : 1 2 3 4

「SK2」 へのリンク
究色タイツ特設サイト バナー
はじめようヨガライフ バナー