Home > 特集,vol.76 > 特集 DDインタビュー
特集 DDインタビュー Zeebra 1万文字インタビュー  PAGE : 1/4 >
2017年4月1日、Zeebra主宰の日本初HIP HOP専門ネットラジオ局『WREP』が開局した。常に日本のHIP HOPムーブメントを先導し続けるZeebraが思い描く、開局への想い、また音楽シーンに対するアツイ情熱を語っていただいた。


日本にHIP HOPのラジオ専門局を開局した意味とは

-「WREP」開局おめでとうございます。今回ネットラジオ局を開局されたきっかけを教えてください。

Zeebra 「日本ってラジオを取り巻く環境が特殊なんですけど、日本のFM局の電波っていうのが、例えば日本で買ったラジオをアメリカで聴こうとすると、電波の範囲が狭いってことに気付くと思うんですよ。
アメリカでは電波の幅が広いのに、日本のラジオではそこまで広くない。
なぜかというと、日本のラジオっていうのはFMの電波の半分くらいを米軍が使っていて、日本を守るためにそうなっていると思うんですけど、それがあることによって電波の幅が狭いっていうのと、混線を避けるために5個までしか作っちゃいけないっていうルールがあって、それによって日本のラジオ局が少なくて。

欧米だと、どこのエリアにいっても、0.2ずつ周波数が違う局がバーッとあって、それがほぼ専門局なんですね。
日本は5個しかステーションが作れないから、専門局をやっている場合じゃないじゃないですか。ヒマがないというか、いろんなものを紹介しないといけない。
だから、全部がバラエティチャンネルなんですけど、そもそもラジオっていうのは専門局で、そのカルチャーとかジャンルが好きな人がずっと聴くっていう。

テレビだと例えば月9みたいに何曜日の何時から何チャンネルで、って感じで見るじゃないですか。そういう感じじゃなくて、欧米は自分の好きな曲をずっとかけっぱなしにして楽しむんですよね。
車に乗っても、ラジオをつけっぱなしでいつも自分の好きな曲がかかってて、チャンネルを選んでこれにしようっていう風にしてるんで、そもそもの在り方が違うんですよね。

で、ヘビーローテーションシステムみたいなのも日本と欧米では全然違って、例えば日本のラジオ局のヘビーローテーションっていうと一日一回曲がかかって、それが毎日かかりますって感じなんだけど、欧米は一日20回かかるのが二週間あるっていう。
本当にもうとにかく、それで刷り込まれる。
それがヘビローの本当の意味であって、それが日本のラジオ局ではまったく機能していないっていうのと、専門局があることで何が大切かというと、もちろんHIP HOPの専門局があったり、JAZZの専門局があったり、クラシックロックの専門局があったり、レゲエの専門局あったりっていうなか、例えばJAZZの専門局だったら70代の往年のマイルス・デイヴィスファンも聴くし、16歳のトランぺッターも聴くわけですよね。
そうすると、ひとつのJAZZだったらJAZZっていうジャンルが、幅広い世代の人が聴くことによって、すごく熟成されていくわけですよ。

で、片や日本はだいたい3年とかの周期で流行が変わっていったりするんで、ひとつのジャンルが長い間熟成するってことがなさすぎちゃって、それは音楽にとってすごいマイナスだなとずっと思っていて。

画像
僕も15年くらい前からやっぱり日本にも専門局が必要だと思って、ことあるごとに発言したり、いろいろやってきたんですけど、どうしてもラジオ局自体をたてるのは大変で。
それこそ一時期サイバーエージェントの藤田(晋)さんとラジオ局買収とかのお話もあって、この局ならすぐ買えますなんてこともあったですけど、調べれば調べるほど聴取率的にもビジネスとして成り立ちづらいからちょっと難しいですってことになっちゃって。

当時、ちょうど15年くらい前に建築家の丹下(健三)さんが中心に開催なさっている有識者が集まるデザインの会にパネラーで呼んでいただいて、“東京の明日を考える”というテーマだったんですけど、その時に何が必要ですかと聞かれて『ラジオ局です』と話をしたら、終わった後に自民党の平沢勝栄さんに『ラジオだったらインターネットラジオをやりなさい』と言われて、『ネットだと家でしか聴けないじゃないですか、それじゃダメなんですよ』って言ったんですけど『いやもう少しで街や車でインターネットが繋がるようになるから今のうちにやっておきなさい』って言われて。
どういうことだろうと思って、その時たまたま孫(正義)さんの弟さんが友達の友達だったので紹介してもらったときに、実は通信網をどんどん広げようとしているときで『もう何年かしたらそれも可能になりますね』って言われて、『お、マジですか、じゃあちょっと考えた方がいいのかな』って思ってたら、何年か後に4Gが広がって、おー、こういうことだったのか!ってなって。

実際4Gが出てからは、欧米のネットラジオなんかもアプリから車に繋いで聴いたりしてるんですけど、普通に高速道路を走ってても全部聴けるし、『あ、これで成立するな』っていうのがその当時からあって、なんかのタイミングでとにかくこれを形にしたいなっていうのはずーっと思ってたんですよ。

で、MCバトルが盛り上がったりなんやかんやラップが注目されていうことで、林(修)先生じゃないですけど、今でしょと(笑)。

WREPスタジオが入ってる会社がグローバル・ハーツっていう会社なんですけど、クラブのVISIONとかやってらっしゃるところで、僕は風営法改正の動きをずっと何年かやっている中、クラブのオーナーさんたちっていうのはグレーでイリーガルな営業をなさってたんで、なかなか立ち上がってくれる方がいらっしゃらなかったんですけど、下手すれば営業停止ってやられかねなかったんで、ただそのときに初めに立ち上がってくれたのが、こちら(グローバル・ハーツ)の社長の村田大造さんで、彼は日本初のクラブからプロデュースなさってたりとか、日本のクラブっていうものを作ってきた人なんですけど、それだけの責任感がおありということで、僕も昔からお付き合いはあったんですけども、その関係ですごく近くになりまして。
いろいろ話してたら、Zeebraくん面白いこと考えてることあったら、僕も付き合うから言ってよって言われて。そこからこういう形になったって感じです」

-開局だけじゃなくてそんな壮大なお話しだったんですね!

Zeebra  「そうですね。もうHIP HOPだけじゃなくて日本の音楽、クラブのシステムすべてにテコ入れっていう意識ですね。これでうまくいったら他のジャンルの局も作ろうってことで考えてます」

ヘビーローテーションの真意

-いまって無料で音楽を聴くユーザーが増えていますが、先程のお話にあったヘビーローテーションのシステムなどを伺うと、日本に音楽文化を根付かせたいという想いにすごく共感しました。WREPでも20曲くらい?がずっとかかってますよね。

Zeebra 「実はいま50曲くらい。あれでも欧米よりも曲数を多くしてて、向こうの局だともっとしつこいんですよ。
欧米はだいたい25曲くらいをずっと流してて、WREPは50曲くらいにしてバリエーションを増やしてるんだけど、リスナーはそういうものを聴き慣れてないと思うんで、同じ曲が2回かかることになんで?って思う人もいると思うんだけど、それがそもそものラジオの形だっていうことでやってます」

-PCでも聴けるし、私もアプリを入れているんですが、いままで知らなかった曲でもアーティスト名や歌詞が表示されるので、普段聴きなじみがない曲も聴きやすいですね。

Zeebra 「我々としても例えばHIP HOPだけのことを考えると、なかなかメディアが無いっていうのが現状だったんですよ。
音楽のメディア、例えばテレビでもだいぶ音楽番組も減りましたし、そういう状況の中、普通の一般のものはさっきのラジオの話と同じように、全部、すべてのジャンルを紹介するじゃないですか。普通のラジオ局とかで曲がかかるかかからないかは、その番組内でどっちをかけるか曲を比べられるわけですよね。
そのときにこれが全部HIP HOPだったら、HIP HOPの尺度で『これカッコイイな』でかかるわけなんですけど、これが全部HIP HOPじゃないと、総合的に見て一般受けしそうなものしかピックされない。だからむしろHIP HOPやってる子たちも歌謡曲に寄せれば寄せる程、ラジオでかかりやすくなるとか、そもそも不健康ですよねその形が。HIP HOPがHIP HOPの尺度でいいと思われる曲が推されるというのが大切だなと思っています」

next
>>パーソナリティーは
若手ラッパーからアイドルまで
リベラルに




PAGE : 1 2 3 4

pairsバナー
究色タイツ特設サイト バナー
はじめようヨガライフ バナー