Home > vol.33,真夏のホラー企画 > 真夏のホラー企画Vol.2
真夏のホラー企画Vol.2 稲川淳二 コワオモシロい怪談の世界【前編】  PAGE : 1/2 >

夏といえばこの方!日本を代表する怪談師・稲川淳二さん。
日本の怪談は怖いだけじゃない?!時に涙し、時に心温まる怪談の魅力を、前後編の大ボリュームでお届けします!


「怪談=怖い話」は間違い?!

インタビュー画像

―怖い話というと、女の子にとっては苦手意識もあるんですが、まずはその魅力を教えて下さい。

稲川 私の周りにも、苦手な女性は多いですよ。でも本当はね、「怪談」って怖い話ばかりじゃないんです。大体の人は「怪談=怖い」って思う。でも、怪談には暖かい話や、泣ける話、どこか優しい部分があるんですよ。

―そうなんですか?!

稲川 「怪談」がもつ味わいっていうのはね「ホラー」とは少し違う。ホラーは目に見えて襲われるものだけど、怪談は心の闇だったり、日本の文化なんですよ。
日本には昔から不思議な話がたくさんあります。よく「怪異」なんて呼ばれていますけどね。

こんな話があります。昔、母と息子二人の家族があって、息子が殿様について江戸に行くことになった。離れている間、一人残した母を気にかけた息子は空を見て母を思う。
すると空に“ふっ”っと母親の姿が見えたんですね。繕いものをしていて、その着物の柄まで見えた。「元気にしているといいなぁ」なんて帰れない故郷を思った。
翌年、勤めを終えて故郷に帰ってきた息子に母親がこんな事を言った。「お前が勤めに出て、心配だったけど、とても不思議な事があったんだ」。ある日縁側で繕いものをしていると“ふっ”っと息子の姿が見えたと言う。息子は「もしかしてその時の着物ってこういう柄の着物かい?」とたずねた。母親は「なんでわかるんだ?」答えた。「あぁやっぱり自分は見てたんだ」って息子は思ったんですねぇ。

―なるほど。不思議で少し怖い気もしますが、心が温かくなるお話ですね!

インタビュー画像

稲川 日本には、こういう良い話がいっぱいありますよ。なぜかというと日本は「気配」の国だからなんです。
昔ながらの日本の家っていうのは、ドアや窓がないんです。襖が閉まっていても、宴会の日は全部開けると大きな部屋になるし、外に面した襖を開ければ、全面に外が見える。
ヨーロッパでは部屋に入るときにノックをするけれど、日本では障子や襖に耳をあてて、寝息が聞こえれば、「部屋の主が寝てるんだ、後にしよう」ってなるでしょう?こうして気配を感じとることが日本の文化なんです。
だから日本の怪談には、「影」があり、「音」があり、「気配」がある。根底には、思いやりや、やさしさがあったりする。どこかセクシーで、どこか恐怖で、どこか優しくて、どこか辛いんです。だからいい!そういうものが全部詰まってできたのが日本の怪談なんです。

次のページへ>>

PAGE : 1 2

「SK2」 へのリンク
究色タイツ特設サイト バナー
はじめようヨガライフ バナー